みどころ


 ルネサンス期のヴェネツィア美術の礎を築いたのは、ベッリーニ工房とヴィヴァリーニ工房であった。とりわけヤコポ・ベッリーニに始まるベッリーニ工房は、息子ジェンティーレとジョヴァンニによって引き継がれ、その工房からはティツィアーノをはじめ数々の優れた画家たちが輩出された。彼らはヴェネツィアという異文化に開かれた土地において、ビザンティン美術の装飾性やフランドル絵画の精緻さに触れ、あるいは近郊の町パドヴァでジョットやドナテッロらフィレンツェの芸術家による壁画や彫刻を柔軟に学び、新たな様式を生み出していった。繊細な光の効果や澄み渡る風景を描き出すヴェネツィア派の高度な油彩画の技法は、1470年代半ばにヴェネツィアに滞在した画家アントネッロ・ダ・メッシーナによってもたらされたとされる。


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